「これって洗い物をしている音じゃないかな?」


最初に言ったのは和美だった。
水音と、カチャカチャと食器が触れ合う音。
そして最後のキュッキュという音は綺麗に磨き上げられたあとの音だ。


「そうかもしれないね」


由佳が目を開けて頷く。
すべての音を合わせて考えると、食器を洗う音で間違いなさそうだ。


「それじゃ、今回も満場一致で食器を洗う音でいいかな?」


進が3人へ向けて聞く。
3人は同時に頷いた。


『さて、今回の音はなんだったでしょうか?』


回答時間は1分間。
だけどすでに回答は決まっているので、今度は焦らなかった。
みんなで回答をコメント欄に書いていくと、他の参加者も同じようなコメントが多いことがわかった。


「これってさ、1分間っていう制限時間がないとどんどんカンニングできちゃうね」


画面を見ながら由佳がつぶやいて笑った。