時折囲碁とか、指を鳴らす音というものも混ざっている。
そして回答用の1分間はあっという間に締め切られてしまった。


「これで不正解だったら進のせいだからね」


和美がそう言って笑った。
冗談のようだけれど、半分本気が伝わってくる。


「だ、大丈夫だって」


進がひきつった笑顔でそう答えた時、画面が動いた。
カメラそのものを少し右へ移動させている。

そこに映ったのはテーブルの上に置かれている碁盤だった。
手袋をした手で将棋の駒を持ち、パチッと音を立てて差す。


『正解は将棋を指す音でした!』


ボイスレコーダーで変換された配信者が声高に答えを告げる。


「よっしゃ!」


久貴が回答を聞いた瞬間ガッツポーズをして喜んだ。
ひとまず全員が正解で、次のクイズに進めそうだ。


『残念ながら何名かはここで脱落です~。その方たちは配信を切らせてもらいますね』


配信者はそう告げてから画面外でなにかを操作している。
個々で配信を切っていっているのだろう。