由佳も顔には出さないが緊張と期待で胸の高鳴りを感じていた。
賞金10万円も用意したこの人はどんな人だろう。

これからどんな問題が出されるんだろう。
10万円は絶対にゲットしてやる!
色々な気持ちがないまぜになって、まるでお祭りの気分だ。


『それではここで、ゲームのルールをおさらいします』


それは由佳に送られてきた動画の説明欄に書かれていたものと全く同じものだった。


『その1,音だけでなにをしているのか当ててもらいます。
その2,回答はコメント欄に書き込んでください。
その3,間違えればそこで配信が切られて続きは見られなくなります。
その4,最後までクイズに正解した人には賞金10万円を贈ります!』


最後だけ声高らかに発言する配信者。
と、同時に画面上の配信者の両手が現れた。

白い手袋を付けていて、手も見えないようにしているところが厳重だ。
その手には10万円の札束が準備されていたのだ。


「本当に10万円ある!」


画面上で配信者が1万円ずつ数えていくのを見て和美が興奮気味に声を上げる。
由佳もゴクリとツバを飲み込んだ。


「これがあれば夏休み中遊べるじゃん」