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それから4人でゲームをしたりお菓子を食べたりしてダラダラと時間を過ごしていると、あっという間に8時が近づいてきていた。


「よっし、そろそろ準備するか」


寝転がって漫画を読んでいた久貴が勢いよく上半身を起こす。
そしてテーブルの上に自分のスマホをセッティングした。

進の部屋ではテレビで動画を視聴できるようになっていたけれど、今回の動画はクイズになっているようなので、それぞれのスマホで視聴することにしていた。


「回答を間違えると配信を切られるとか、結構シビアだよねぇ」


和美が久貴の隣で準備しながら呟く。


「本当だよね。配信そのものを切るんじゃなくて、正解しなかった視聴者の配信だけを切ることなんてできるんだね?」

「本来ならできねぇだろ。賞金10万とか言ってるし、これたぶん企業とかが絡んでるんだぜ。だから特別な演出ができるんだ」


久貴が自信満々に持論を述べる。
由佳はそうかもしれないと、納得していた。

個人で賞金10万円のゲームを行うのはそんなに簡単なことじゃない。
ASMRは高性能な機材だって必要だし、難問もあるのなら準備だってきっと大変だし。