時々バチバチと青い火花を散らすスタンガンに、進はすっかり怯えてしまっていた。
またあの痛みを経験するかも知れないと思うと、今はおとなしくしておいたほうが懸命だと思えた。
「今日の夜、配信するの。だからね……」


それから岩上は今日なにかの配信をすることと、仲間を夜の校舎へ誘導することを進に命じた。
その配信が由佳のメールに届いたASMRのクイズ動画だということだけは、この時点で教えられていたのだ。


「手伝ってくれれば、痛いことはもうしないよ」
「こ、断ったら?」
聞くと岩上はまだスタンガンを進の太ももに押し当てた。


さっきの余韻が残っていた場所に更に押し付けられたため、立っていられなくなってしゃがみ込む。
「手伝ってくれれば君だけは助ける。約束する」


そう言うから、進は承諾するより他はなかった。
もしもこのときに断って入れば、その時点で殺されていただろう。


ただ、当然ながら嫌な予感はしていた。
岩上は今普通じゃない。