キツネ面が叫ぶが、進はその手を離さなかった。
「もういい加減にしろ。お前はもう終わりだ」
進はそう言うと重たいハンマーを奪い取り、横に投げた。


そしてキツネの面を剥ぎ取ったのだ。
「あ……」
キツネ面の下から現れた岩上が愕然とした表情で進を見つめる。


やっぱり、キツネ面の配信者が岩上泉だったのだ。
その推測は当たっていた。
「なんで……なんで止めるの!?」


ボイスチェンジャーは仮面に取り付けられていたようで、その声は岩上のそれに戻っていた。
ひどく震えてしゃがれている。
「これ以上罪を重ねてほしくない。俺は、先生の味方だから」


由佳は進の言葉に自分の耳を疑った。
今、先生の味方って言った……?
拘束されたまま転がっている由佳へ、進は視線をむけた。


「由佳ごめん。俺、由佳たちをずっと騙してた……」