卑劣な連中はどこまで行っても卑劣なのだろう。
自分たちが襲った相手の味方についているなんて、信じられなかった。


楽しむためならなんでもする。
そんな男たちに岩上は目を付けられていたようだ。


「さぁて、今回はどういう風に殺してあげようかなぁ? 手首ばっかり切ってたから、次は別の場所がいいよねぇ?」
キツネ面が視聴者に質問しながら武器を選ぶ。


『首切断!』『頭をかち割ってほしい』『全身切り刻んでやれば?』
そんな残酷な書き込みが当然のように流れ続ける。


「頭かち割るのもいいね。どうせもうこの音楽室は血まみれになってるし。最後は派手にいこうかぁ」
キツネ面が鞄の中からハンマーを取り出した。


重たいのか、少しよろけている。
あれで頭を叩かれたら本当に死んでしまう。
一撃で死ねればまだいいが、もしも当たる場所が悪ければ苦しむことになる。


由佳は這いずるようにして必死に逃げようとした。
だけどそれは簡単に捕まって引き戻されてしまう。