由佳は力の限り叫んだ。
このままなぶるように殺されるくらいなら、一息に殺してくれたほうがマシだ。


だけどキツネ面は左右に首を振った。
「そんなもったいないこと、すると思う?」
小首を傾げて、バカにしたような声色で質問する。


「あんたは散々人を苦しめたでしょう? こっちは知らない男たちに拷問されてんだよ!」
突然声が荒くなり、由佳はまた腹部を踏みつけにされた。


「ぐっ」
みっともない声が漏れて出る。
胃液が上がってきそうになって、無理やり飲み込んだ。


個人情報を流出されたとき、やはり岩上は被害に遭っていたのだ。
「それなら……もう学校に来るのをやめたらよかったのに!」


「はぁ? なんでこっちがお前のために夢を諦めなきゃなんねんだよ」
キツネ面が面の下で笑う。


「それに、今回はその男たちも視聴者の中にいる。今回のために道具も貸してくれた」
その言葉に由佳はギョッとしてカメラを見つめた。