そんな雰囲気があった。
「あなたのアドレスも、簡単に手に入れることができたから、今回の動画配信の宣伝メールを送ることができた」


担任だったらなおさらだ。
生徒の家族構成や親の連絡先まで手に入れている。
「学校の鍵だってそう。合鍵なんて、好きなだけ作り放題」


だから、こんな風に夜の校舎にも難なく侵入することができた。
視聴者はみんな岩上の仲間だから、通報される心配もない。


それに、これだけの器具を準備しているのだから、随分と時間をかけて計画したに違いない。
そう思うと由佳体に冷たいものが走り抜けた。


岩上は本気だ。
本気で、ここで全員を殺すつもりで計画してきたのだ。
そんなことにも気が付かずに毎日教師イジメをしてきた自分。