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「進とはどうなのよ?」


進が校舎へ戻っていくのを見届けた和美がすぐさま由佳に近づいて質問した。
由佳は首を傾げて「どうって?」と、聞き返す。


「好きなの? 進のこと?」

「好きなのは好きだけど、友達としてね」


覚めた様子で答える由佳を見て和美と久貴は視線をかわした。


「本当に? 本当に友達としてなのかよ?」

「しつこいなぁ。どうして私と進をくっつけようとするの?」

「だってほら、ふたりって美男美女でお似合いだし、進って優しいしさぁ」

「だからって好きになるとか単純すぎでしょ」


由佳は笑ってあしらっている。
どうやら本当に進のことはなんとも思っていないようで、和美と久貴はガックリと肩を落とした。