足をバタバタと上下に揺らして音を立てて抗議する。
けれどキツネ面はそれも無視した。
「それでは参ります! ラスト問題です!」


そう宣言した次の瞬間、由佳の腹部に激しい痛みが襲った。
痛みに目の前がチカチカ光っている間に、今度は足に痛みが走った。
どうやら自分の体はキツネ面に踏みつけられているらしいと気がついた時には、腕に痛みが走った。


いつ、どこに攻撃を受けるかわからない状態に由佳の目に涙が滲んだ。
どれだけもがいてみても、攻撃は止まらない。


特に腹部をしつこく攻撃してくるのは、そこに大切な臓器が集まっているからだろうか。
他の3人のときみたいに器具を使うことはないようだけれど、その分時間をかけてじっくりと攻撃しているのがわかった。


音を鳴らす時間は30秒だと最初言っていたけれど、もうその約束も守られてはいなかった。
息をつく暇もなく訪れる痛みに箱の中の由佳は何度も嗚咽を漏らす。


涙とよだれで顔はグチャグチャになっていたけれど、そのおかげで靴にはられたガムテープが緩んできていた。