だけどその質問の答えはすべて濁してきた。
いくら友人でも、簡単に説明できることではなかったからだ。
だけど由加は岩上イジメのためだけにクラスのトップに君臨していたといっても過言ではなかった。


由加にとって岩上イジメは生活の一部であり、最後までやり遂げる目標でもあった。
それなのに、全然うまく行かなかった。


岩上はなにをしても学校へ来続けた。
そして教師であり続けた。


そう思うだけで悔しくて憎らしくて奥歯が折れるほどの歯を噛み締めてしまう。
きっと、こんな気持を理解してくれる人なんていない。
この世にたった1人、孤独に戦っている気持ちだった。


なにかを探していたキツネ面が戻ってきたとき、その手には木製の箱が持たれていた。
「これを使います!」