由佳はとっさに暴れて椅子ごと横倒しに倒れてしまった。
「さぁ、一番のお楽しみの時間だよ」


キツネ面がしゃがみこんで由佳の顔を覗き込む。
由佳はイヤイヤと左右に首をふるだけで、他の抵抗はなにもできなかった。


ミノムシ状態では立って逃げることもできない。
キツネ面は由佳の襟首を掴んで引きずり始める。


それは思っていた以上に強い力で、細い由佳の体なんて簡単にカメラの前まで移動させられてしまった。
青ざめた顔で由佳はカメラを睨みつけた。


その目からは視聴者まで殺してしまいそうな強い意思を感じられる。
「さぁて、次が最後の問題ですよ」
キツネ面はカメラへ向けて粘りつくような声色で告げたのだった。