どうして嫌いなのか、どういう経緯があったのかは質問できなかった。
由佳が次の質問をさせないように久貴を睨みつけてきたからだった。


由佳は黙り込み、重たい雰囲気を体に纏う。
そうなるともう、質問できるものもできなくなってしまう。


結局久貴はそれ以降も由佳が岩上に執着する理由を聞くことはできずにいたのだった。