コメント覧は今やお祭り騒ぎで、次のお題を心待ちにしている連中ばかりが残っている。
『早く次の問題!』『次の拷問はどんなのかなぁ?』『すっごく楽しみ! 配信者さん最高!』
誰も止めに入ることのないコメント欄を目の前にしてキツネ面は満足そうに頷く。


そして鼻歌交じりに鞄の中をあさり始めた。
鞄の中にはまだまだ沢山の道具が入っている。
ペンチにカミソリにラベルのない液体。


どれを使って拷問するかは自分の自由だ。
そう思うと心の底から喜びが湧き上がってくる。
人間を人間として扱うことを放棄したとき、こんなにも強い楽しみが待っているなんて考えたこともなかった。


鞄の中を物色していたキツネ面はふと視線をあげて音楽室の棚の上に置かれている機械に視線を向けた。
それは大きめのシュレッダーで、自動のものになっている。


それが視界に入った瞬間、思い出したニュースがあった。
小さな子どもが床に置かれているシュレッダーに遊び半分て手を突っ込んで、指のすべてを切断してしまったというニュースだ。