岩上だと思いこんでいたその相手が、途端に得体のしれない人物に変わる。
男子生徒を引きずって移動できる相手。
もしかしたら女じゃないのかもしれない。


キツネ面の下の顔は、男……?
由佳が疑問に感じている間に、キツネ面はスタンガンを持ってきた。


久貴はより一層に暴れて逃れようとするが、その体に容赦なく押し付けられる。
そしてバチンッと大きな音を立ててスタンガンが炸裂した。


出力を最大にしているのだろう、久貴はすぐに大人しくなって絨毯の上に転がった。
キツネ面は大きく息を吐き出して、久貴の体をひきずって機材の近くに転がした。


今回は椅子に座らせることを諦めたみたいだ。
進よりも力が強くて体格もいい久貴に、諦めたのかもしれない。
「さて、おまたせしましたぁ! 次で第9問目です!」


キツネ面が画面へ向けて声高らかに宣言する。