家から五分ほどの公園についてから。
ベンチにふたり並んで腰を掛け。
年越しにぴったりな綺麗な星空を見上げながら、今年あったことや今までのいろんなことを話した。
その中で、高嶺があたしに惹かれたきっかけや、去年まではあたしのことをどう思っていたか。
ぜんぶ、ぜんぶ聞いた。
…そんなの聞いたら、余計好きになってしまうのに。
高嶺は容赦がない。
もっと好きになればいいって、そんな目をしてる。
だから、高嶺の顔は直視できなかった。
…見たら、心臓が破裂しちゃいそうで。
「…にしてもさぁ」
すこしの沈黙のあと、高嶺が再び話を切り出した。
「まさか抱き着かれるとは思ってなかったなぁ」
…意地悪だ。
あたしが恥ずかしがるのを分かってて、わざと掘り返してる。
自分でも、まさか抱き着いちゃうなんて思ってなかったよ!