ひとりでそんなことを考えて勝手に落ち込んでいたら。
「花先輩いますか」
…え。
まさかわたしの名前を呼ばれると思ってなくて、心臓が鼓動を速める。
”花先輩”
その呼び方も好き…。
サラっと揺れる黒髪も、二重幅の綺麗なアーモンドアイも、大好き。
泣き出しそうになるのを抑えて、天城くんの元へ向かう。
教室、ざわついてるから…。
「ど、どうしたの?」
「ちょっと委員会のことで」
あぁ…。
そうだよね、それしかないよね。
だけど嬉しいことに変わりない。
天城くんに名前呼んでもらえた…。
「ここじゃなんだし、場所変えていいですか?」
「あ、うん…」
先をさっさと歩いて行ってしまう天城くんの後ろについて歩く。
どうしよう…。
普通に喋れてる。すごいよ。