12月に入って本格的に寒さが増した。
わたしは今日ももこもこのマフラーに顔をうずめて登校する。




「花、おはよー」




クラスメイトに挨拶を返して、自分の席に座る。
一時間目の準備のため、机の上に教科書を取り出していると…。




「わっ、みて、天城くんだ」


「えー、やばい、綺麗すぎ!」





ドキッ。
心臓が跳ねた。



…天城彗(アマギ スイ)。
わたしたちより一学年下の男の子。




彼がこんなに注目を集めているのは、あの整い過ぎた容姿のせい。




毎日、毎日。
懲りもせずに天城くんを囲んで…。



…それは、わたしも例外じゃない。