「…お願いだから、もっと自分が可愛いってこと自覚してよ。前も言った気がするけど…先輩には、100回言っても足りないレベルにわからず屋だもんね」
私の頭を撫でながら、するりと髪を梳く東都。
その手つきがあまりにも優しすぎて、なんだか泣いてしまいそうになる。
「…怒って、ないの?」
「怒るっつーか…凛子先輩が他の野郎に触られてんのがめちゃくちゃ嫌だったの。ガキみてぇっだって自分でも思うけど、こればっかりは無理だから。重いかもとか言ってらんない」
「っ…!!」
胸が、苦しい。
ぎゅっとキツく締め付けられて、息も忘れるほどに苦しくなって…。
なのに、それが心地よいと感じてしまう。
胸の奥の方がキュンと音を立てて、伝染したように身体が火照るの。
「…俺はね、先輩が大好きでたまんないだけ」
誰かに触れて欲しいと思うのは、この世でたった一人…東都だけなんだよ。
「…?せんぱ───っ!!」
東都の首に腕を巻き付け、背伸びをしてからキスをした。
触れる程度の軽いキス。
いつもなら絶対しないような、大胆な行動。