「ちなみにこの人も私たちと同じ学校の人だよ?まぁ芸能コースの人だから会うことないけどね」
黄子ちゃんの言葉に全てが腑に落ちる。
『応援ありがとう』とか、『俺のこと知らねぇの?』とか『商売道具』とか、
ああ、そういうことか…
バッチをしてないってだけで、芸能コースである可能性なんてこれっぽっちも考えてなかった。
「あの……この人ってそんなにすごいの?」
「凄いなんてもんじゃないよ!周りの雑誌見てみなよ。表紙みんなこの人たちだよ」
「ほ、本当だ」
あのイケメンさんが所属するmoreというグループは3人らしく、3人で表紙を飾っている雑誌がたくさん並んでいる。
いくら疎い私でも、それが彼らがトップアイドルだってことだと理解した。
もう転校初日から情報量が多すぎるよ…
「絶対的センターで王子様スマイルでみんなを虜にする北浜橙真、みんなの圧倒的弟キャラで可愛さ満開樟葉緑(くずはりょく)、リーダーで圧倒的歌唱力と包容力の持ち主関目紫苑(せきめしおん)。この3人でmore」