帰り道なんとか黄子ちゃんと合流できた私は、さっき起こった出来事を愚痴っている


「その人、超最悪じゃない!?」



「そんな大きな傷つけちゃったんだ?」


隣を歩く黄子ちゃんは私の相変わらずのドジっぷりに少し笑う。



「うん、まぁ、目立つかなぁ…」



毛穴ひとつない、白くて透明感のある肌に一筋の傷を作ってしまった。


そんなに深くなさそうでよかったけど。


ていうか、手当もしてあげないで逃げてきちゃった。


「へー、名前聞いてないの?」



「…そういえば聞いてないかも」



分かることは『k.t』っていうイニシャルだけ。


そういえば私も名乗ってない。



「んー、どんな人?」




「びっくりするくらいイケメンなの!もう国宝級!でも性格がなぁ…」



「そんなイケメン、先輩にいたっけなぁ」



そっかぁ、黄子ちゃんでも知らないんだね。あれだけイケメンなら目立ちそうなもんだけど。