「し、知りませんっ、」


だってこの間空港で会っただけの人だし。


もしかしてこの学校ではわりと有名だったりするのかな?かっこよすぎてファンクラブがあるとか!?



「ふっ、面白い女」


そのバカにしたような含み笑いは、魔王のよう


漫画みたいなセリフ言ってるし。


こっ、この人関わっちゃいけない人だっ!


顔はすごく良いけど、危ない人だ。



「お願いします!なんでもするので許してください!」



い、命だけは取らないで!!と咄嗟に土下座



まさか転校初日にこんなところで土下座する羽目になるなんてついてない。


「じゃあ今日からお前俺のパシリな?」



頭上から聞こえてきた言葉



「へ?」



今なんて…?空耳?



「携帯出せ。」


ん、と差し出される手に戸惑っていると痺れを切らしたように、私のブレザーのポケットに手が伸びてきて、一瞬で携帯を取られた。