「まだ、先輩のこと忘れられない?」

「今は…分からない。」

「嫌じゃなかったらさ…そいつとの思い出聞いてもいい?」

あたしは、聞いてほしかった。

あたしのこと、少しでも知ってもらいたくて…

あたしは、出会いから別れまでを裕に話した。

終わったこととはいえ…

やっぱり泣いてしまった。

「忘れよう。」

裕は、あたしの涙を拭きながら

言ってくれた。

「どーやってよ…」

「俺を使っていいから…一緒にそいつのこと忘れよう。」

あたしは、嬉しかったよ。

でも、裕を使うなんて……

できない。