それから、

あたしは裕と2人で遊ぶことも多くなった。

楽しいって思えた。 

先輩といるよりも。

また、同じようなことがあるんだと思うと…

怖かったけど、裕となら大丈夫!だと思えた。

でも……自分からは告れない。

もし、裕の気持ちが変わっていたら……

「な~にいってんの!」

「だって……」

「裕君は、大丈夫だよ! 
そんな軽い人間じゃない!」

「それは…あたしも……」

「だったら……」

「怖いの! まだ、先輩からの言葉が頭から離れない。」

「友梨亜…」

「先輩の怖い顔。先輩の声の感じ。声の低さ。
そのときのこと、よく覚えてる。」

奈津は、黙って聞いていてくれた。

「だから……」

「友梨亜! もう…いいよ! 言わないで。
分かったから。」

奈津は、そう言ってあたしを抱きしめてくれた。

すごく、すごく温かかった。