家を飛び出したものの…

当てはない。

あたしは、裕のこと……

何も知らない。

ただ1つ…

「いた…」

「友梨亜……」

そこは、1番最初のデートで来た

小さな小さな広場だった。

「裕…みんな心配してる。」

「なんで、来たの?」

「なんでって……」

好きだから…あたり前のことが言えない。

言うことができない。

「とにかく、いいから帰るよ!」

そう言って、裕の腕を掴んだ。

「…離せよ!」

「え……?」

裕が初めて口にしたあたしに対しての冷たいセリフ

「別れるとか言うなら、優しくすんな!」

「ご・ごめん。」

「もう…俺に関わるなよ。」

「……どうして?」

「お前さ…自分から言ったんだよ。

一緒にいない方がいいって…

だったら、俺なんか探すなよ!

なんのために…俺を探すんだよ。」

あたしは、何も言えなかった。

なんのために…?

あたしは、なんのために裕を探したんだろ…

心配だから…? 

どうして…裕に心配なんてするの?

「答えられないじゃん。」

「……」

また、泣いてしまった。

涙がこぼれてしまった。