泣いても泣いても、朝は来るんだ……

どんなに、悲しくても朝は来るんだと、

改めて感じた。

目が腫れていた。

学校に、行きたくなくても

行かなきゃいけなかった。

あたしは、下を向きながら道を歩く。

「友梨亜~!」

奈津が、走ってきた。

「おはよう。」

「どーしたの? その目!」

「う・うん…ちょっと、いろいろあって…」

「ふ~ん…それって、言いたくないこと?」

あたしは、黙ってしまった。 

言いたくなくても、言わなきゃいけない。

「言いたくないなら、いいよ! 無理には、聞かない。」

奈津は、優しかった。 

多分…薄々分かっていたことだからだと思うが…

あたしたちは、学校に行った。

授業中も、先輩のことばかり考えていた。

「……亜! 友梨亜!」

「ん!?」

「どーしたの? ボーッとして…」

「ちょっと、考え事。」

「それって、目が腫れてる理由?」

「まあ……」

「友梨亜…やっぱ、聞かせて? 

1人で考え込むのは良くないと思う。うちも、力になりたい。」

あたしは、奈津がこんなにも自分を想ってくれてるんだと思って嬉しかった。

「分かった。 実は……」

あたしは、奈津に全部を打ち明けた。

奈津は、あたしの長い話を最後まで聞いてくれた。

あたしが、途中で泣いてしまって

聞こえづらくなっても真剣に聞いてくれたんだ。

「そっか…そんなことが…気づかなくてゴメンね?」

あたしは、泣きながら首を横に振った。

奈津は、悪くない。

「もう…先輩のことは忘れたら?」

「え……?」

「あんな風に言われても、まだ…好きなの?」

あたしは、黙って頷いた。

本当は、分からなかった。

好きかどうかなんて…… 

ただ、先輩に嫌われたくなかったんだ。