ぱたぱた
聞き覚えのある足音が近づいてくる。
「おはようー、岬クンッ!ヒロクンも!」
…誰だ。
「おはよう!マイちゃん」
「…」
「岬クン?」
上目遣いをするな…鬱陶しい。
「誰?」
「えっ…」
俺の前でやたらニコニコしている女は、目を潤ませて傷ついた顔をしていた。
「あっ…ゴメンね!
コイツ名前と顔覚えるのが壊滅的に悪いだけだから…」
「壊滅的は余計だ」
クスクス
「そっか、なんか以外だな!岬クンって何でも出来ちゃいそうなのに。
じゃあ、あたしの名前しっかり覚えてね!園見舞[ソノミ マイ]だよ!改めてよろしくね」
握手をしてほしいのだろうか、右手を差し出された。