「うん」
急に笑顔になった大介に、俺はびっく
リするほかなかった。
「直樹が、ちゃんと俺のこと考えて
くれてるよーに、俺やってちゃんと
お前のこと考えてるで？」
こいつが何をいっているのか理解できない。
「真由のことは、誰かにきーてもら
いたかっただけやねん。
やっぱ、直樹に一番最初にゆってよ
かったわ～」
俺は、こいつが一番嫌がることを、
平気で口にした、最低な男だ。
なのに何故、こいつは笑顔で笑いか
けてくるんだ？
「せめたくないって思ってるのに、
反対の言葉が口からでてくるって顔
してたで」
「おーい なおきくーん？
いきてますかー？」
ふざけた調子で顔をよせてくる大介
が、心底かっこいいと思った。
