「お前、傷つきたくないだけ
ちゃうんけ?
遅くても、早くても、傷つく
可能性をスルーするわけには
いかへんねんから、真由はお
前にずっと電話してんねんぞ?」

大介のその言葉がまるで聞こ
えてたかのように、また真由
から電話が鳴リ始めた。

大介は苦しそうに顔をゆがめ
鳴リ続ける電話を見つめる。

一瞬静かな時間が流れる。

「俺やって、こんなんゆいた
くないねん…
わかってくれよ?なぁ、直樹」


大介は親友やから、いいたく
ないこともゆってくれる。

でも、俺に対してここまで自
分の気持ちをさらけ出したの
は、初めてだったから、俺は
感無量で、何もいえなくなっ
た。

「直樹…
俺やって、お前が傷つくとこ
はみたくないねん」


何も言わない俺に、大介は語
リ続ける。

「真由も、そー思ってるから
いまやって、ずっと電話して
るんやろ?」

「たのむから、もー一回真由
と話し合ってくれ」



その一言を聞いて、俺は決意
した。