「か、神野、くん……?」

「小野宮、よく聞けよ。俺はこんなことじゃお前を諦めねーよ。

だから信じられねーってんなら、信じさせてやる。

忘れたって言うなら、まえ俺がお前に何を言ったか――頭に刻み込んでやるよ」

「あ……!」



ギュッ



両手で小野宮を引き寄せると、簡単に俺に体重がかかる。

全く力の入ってない小野宮を壊れないように、そして力いっぱい抱きしめた。



さっき小野宮が言ったように、教室には疎らだが、まだ生徒が残っている。しかも圧倒的に女子が多い。

そいつらが「キャー」とか「ウソでしょ」とか叫んだ。


でも、それが何だよ。


俺が小野宮を好きで、何が悪ぃんだよ。