「よぉ小野宮。朝ぶりだな」

「か、神野くん……!?」



確かにさっきまで早乙女くんが座っていた席に、なぜか神野くんが座っていた。

しかも、なんだか……

ご機嫌ナナメな雰囲気……。



「ど、どしたの……?」



神野くんの眉間に皺が寄ってるとか、口はへの字に曲がってるとか、もっと色々怖い要素はあったけど……!

でも、神野くんと話したいから、話しかけた。


それなのに……



「ひでーよな、小野宮は」

「へ?ひ、ひどい……?」



神野くんは私を見ない。

見ないまま私の髪に手を伸ばして、すくっては落としてすくっては落として――それを何回か繰り返した。