今度は深く被っていた帽子がぽろっと落っこちた。




「塩対応な人ほど絶対好きな人には甘いって!」


「うわあ、ギャップやばい!めちゃくちゃ溺愛してくれそうだよねー」




「“Rui”と“のの”だったらもうイケメンと美少女すぎて、付け入る隙なさそうだよねー。お似合い」


「てか、もう付き合ってたりして」



……っ、ええ……っ!?



「そ、そんなことな……っ、わあ……っ!」



思わず声を出してしまって、その勢いからか、気づかなかった少しの段差につま付いた。




「っえ、あなた大丈夫ですか……!?思いっきり転んでたけど……」


「うう……いてて」



この女の子たち、すっごく優しいなあ……。

わたしみたいな通りすがりに手を差しのべてくれるなんて。


じんわりと胸が温かくなって、ぽかぽかする。



安心させるために、ぱっと顔を上げて笑って、彼女たちの顔が見えずらかったから眼鏡を外した。



「ーーはいっ!ありがとうございます、大丈夫です……っ!」



「ーーっ、え……?」

「っうそ……っ!!」



目があった瞬間、彼女たちが驚きの顔に包まれたのが分かった。



……どうしたんだろう……?



「って……あ、眼鏡外しちゃったのか」



今さら、眼鏡を取ったことに気づいた。

うわあ、またやっちゃった。無意識なんだけどなあ……またマネージャーさんに怒られちゃうや。