「……ん……」



……あれ、ここわたしの家……?

わたし家に帰ったっけ?



まったく記憶がない。あるのは何だか心地よかった感触だけ。


なんだか手に違和感を感じる、と思って見てみると、



「……っえ、」



琉唯くんの手としっかり繋がれていて。


っあ、そういえば意識失って……その時に琉唯くんがいて、もしかして……ずっとこうしてくれていたの?


よく見たら、おでこには冷えピタが貼られていて、ベッドの近くにはスポーツドリンクが置かれている。



琉唯くんがぜんぶしてくれたんだ。



じわり、熱が広がっていく。




「……あ、ののか起きた?」


「っ、うん。わざわざありがとう琉唯くん」


「ごめん鞄見ていいか分かんなくて俺の家あげた」



……っ、へ?


そ、そういえばこんな家具見たことない……っ!


琉唯くんの部屋だったんだ……。



……ていうか、運んできてくれた?

わたしぜったい重かったじゃん……っ!


そう思ったら、なんだか恥ずかしくなって急に顔から沸騰したみたいに、ぶわっと顔があつくなる。



「っえ、ののか熱あがってない?顔めちゃくちゃ赤いんだけど」


「ななな、なんでもない……っ」


「本当?」


「っひゃ、」