瞳が妖しくすうっと変わって、



腰に回されている腕にぐっとちからを込められてしまえばーーもう逃げられない。



「ーーっ!ちょっと!、」


「しー……撮影中、でしょ?」


「……っ、」



こんなときでもカメラを意識するのがわたしたち。


だけど彼はそんなのお構いなしに顔を近づけてくるから。



「……っ、!」



有無を言わさずに重なるくちびるは、とっても甘くて危うくて毒みたいに身体中にめぐり続ける。



「お、いいじゃんふたりともその感じで!」



……ぜんっぜん、よく、ない。



離れようとしても、彼には全くの無傷。わたしの戦闘力が壊滅的だ。



「……っあー……かわい」


「っ、」



あつい吐息と一緒にぽろりと落ちてきた言葉。

そのひとことで、わたしの心臓の音を狂わせるのには十分。



「ーーまた後でね、……ののか」




ーーああ、今日もまた琉唯くんには敵わない。