スマホ画面をスワイプして思い出を振り返る。


隣町の夏祭りで撮ったツーショット。
自分だけ少し表情が堅いのは、距離の近さに緊張していたから。


卒業までには伝えられたらと思っていたのに、まさかあっちも同じ気持ちだったなんてな。

服装が違うだけで普段と変わりなかったから、告白されると思ってなくて、数秒間固まってた。


あぁ、今朝会ったばかりなのにもう会いたくなってきた。早く来週にならないかな。


どよめくクラスメイト達をよそに、ニヤニヤ顔で休み時間を過ごしたのだった。







「今度の金曜、友達とお昼食べに行ってくるから。一応お弁当用意しておくけど、足りなかったら冷蔵庫にあるもの適当に食べて」

「ん。了解」



右隣で運転中の母に返事をし、手元のスマホに視線を戻す。

土曜日の午後6時過ぎ。テスト2日前とは思えないほど、今日は慌ただしい1日だった。