小さく溜め息をついて店を後にする。


だよね。交際前も後も、何かある度に相談してるし。

子供っぽくないと否定はされたものの、こうやってすぐ人に頼る時点で大人っぽくないのは確か。


そうだよ。これは私と久代くんの問題なんだから。人に求める前にまずは自分で考えないと。

強く活を入れ、自転車に乗って塾へと向かった。







翌週の火曜日。学校が終わった後、久代くんと東屋で落ち合った。



「毎回毎回、急で本当にごめんね。寒くない? 図書室に移動する?」

「いえ、大丈夫です。今日は晴れてて暖かいですし。先輩こそ寒くないですか?」

「うん。セーター着てるから。靴下も長いの履いてるし。それじゃ始めますか」



向かい合わせで座り、スクールバッグから教科書とノート、ペンケースを取り出す。

今日はお互いに塾がない日。ってことで、急遽勉強会を開いた。