「うん。昔から大好きだよ。久代くんは?」

「得意ではないです。ソースはいけるんですけど、生は種の部分がちょっと」

「あー、ドロドロしてるもんね」



良かった。抜けたまつ毛とかが付いてなくって。

胸を撫で下ろしたのもつかの間。



「意外だった?」

「はい。野菜はお兄さんやお姉さんにあげてそうだなと思ってました」



箸からゆで卵が滑り落ちた。

『お姉ちゃんいそう』と言われたことは何度もあるけど、そのパターンは初めて言われた。

つまり、野菜全般苦手で他の人に食べてもらってそうってことだよね。

私、子供っぽい味覚だと思われてたの……⁉



「先輩は兄弟いるんですか?」

「……妹がいるよ。4つ下に」

「えっ、お姉さんだったんですか?」

「そうだよ! 長女! 第一子! こう見えて両家の初孫でもあるんだからっ」



ふくれっ面で伝えたら、迎えに行った時以上に目がまん丸に。

突然ムキになったことよりも、いとこの中で最年長という事実に驚いている様子。