「……本当に?」

「…………でも正直、そういう系統の物はハロウィンパーティーとかでもらいたいな」



ジト目で迫ったら苦笑いで本音をこぼした。

優しい先生でも、やっぱり誕生日はちゃんとした物が欲しいんだな。



「あくまでも俺の意見だけどね」

「わかってますよ。ちなみに先生は何もらったんですか?」

「ペンケース。もう6年経つけど今も使ってるよ」

「あの紺色のやつですか?」

「そうそう。先月会った時に『まだ使ってるの⁉』ってビックリされて。壊れるまで使うつもりだったのに、次のデートで新しいの買ってもらうことになっちゃった」



歴代のプレゼントを聞いただけなのに、のろけ話が始まった。


先生の彼女さんは私より6つ上の社会人。

高校時代の先輩後輩で、私達と同じく、委員会をきっかけに知り合ったのだそう。


図書館デートしてた時に1度会ったことがあるんだけど、すごく綺麗だった。

社会人だからか、言葉遣いも仕草も品が溢れてて。まさに女性が憧れる女性を体現していた。