「先輩、私のSNS知っていたんですか?」

「うん。だって、あのちゃんは僕が実力も人気もない時から応援してくれて、僕が辛かった時もうれしくて元気が出る言葉をSNSでつぶやいてくれていたから」

 先輩はめちゃくちゃ努力して今の地位についた。歌もダンスも沢山練習して、多分演技やオシャレとかも研究してる。ダンス中にさりげなくみえる腹筋も、昔は全然だったのに今は6つに割れていてすごい。

「だって、先輩は応援したくなる人だから……」

「ありがとう。そう言ってもらえてうれしい。あとね、あのちゃんはチケット当選した時とか、僕のイベントに来れるって決まった時、いつもSNSのつぶやきが本当に楽しみにしてくれている様子で、こっちもあのちゃんが来てくれるの、楽しみだったよ」

 その時、先輩のお腹がなった。

 音楽祭終わってすぐに駆けつけてくれたっぽいから、もしかして何も食べてないのかな?

「先輩、一緒に甘いものパーティーしませんか?」
「パーティー? 楽しそうだね」

 先輩は、いつもみたいに胸元にくしゅととした手をやり、首をかしげて可愛く笑った。

 私の中に風邪菌が潜んでいるかもしれないから、早く帰ってもらおうとおもったけれど。そのままバイバイするのが嫌で、さそっちゃった。