「病院、一緒に行くよ」
「腹痛治まってきたし、行かなくても大丈夫です」
「本当に?」
「はい」
「……」

 先輩をお守りした日も似たような会話をした。そしてそれに続く言葉は多分――。

「……体調が治るまで、あのちゃんが出来ないこと、代わりにしてもいい?」

 あぁ、思った通りの言葉。

 天野先輩は裏表がなくて、本当に心配してくれているのがひしひしと伝わってくる。

 見た目も中身も、全部が天使のよう。
 調子が悪い今日みたいな日には、よりいっそう輝いて見える。

「本当に寝たら体調よくなってきた気がするし、大丈夫です」

「じゃあ、とりあえず身体に良さそうなものを色々買ってきたから、冷蔵庫お借りしてもいい?」

 一緒にリビングを通り、キッチンへ。
 家の中を見られるの恥ずかしいけれど。

 先輩のグッズが沢山ある、2階の私の部屋さえ見られなければ生きていける。