「ちょっと待ってよ。どこに連れて行くの?」




慌てて追いかけてもクマからの返事はない。




「ねぇ、止めてあげなくていいの!?」




振り向いて由紀子と同じチームの子たちに聞くが、3人共素知らぬ顔をしている。

これが同じチームだなんて思えない。

チームは強力し合うものなんじゃないの!?

由紀子がずるずると引きずられてたどり着いた先はメリーゴーランドだった。

今は誰も乗っていなくて回転も止まっている。




「今日はまだ誰もメリーゴーランドに乗ってないんだ。視聴者のみなさまに、メリーゴーランドが回っている所を見せてあげよう」




クマが明るい口調で由紀子に話かける。

由紀子は青ざめた顔でブルブルと震え始めている。

あんなに怯えているのに、誰も助けようとしない。




「さぁ、乗って」




クマが由紀子の手を引いてメリーゴーランドの中へ入っていく。

由紀子はクマが指定した馬に乗ることになったようだ。