「だけど欠点があったみたいなんだ」



「欠点って?」




男の子の言葉に私はすぐに質問した。

なにか抜け道があるのなら聞いておいた方がいい。




「ジェットコースターでひとり死んだのは見たか?」




そう聞かれて私は苦い顔をして頷いた。

早く忘れてしまいたい光景が、また頭の中に浮かんできてしまう。

脳裏から振り払おうとしても何度でも血まみれになった男の子の姿を思い出してしまう。




「あいつは体を拘束されてた。つまり、機械じゃ制御できなかったんだろうな」




そう言われてジェットコースターのレールの上で、ロープで拘束されていた姿を思い出す。




「私見たよ。あの子は何度も逃げ出そうとしてて、最後にはクマに捕まったんだ」




女の子が横から口をはさむ。




「そう。だから効果には個人差がある。実際にゲームをして、負けてみないとわからないことだ」



「待てよ。俺は体の動きを制御されてるような感じはなかったぞ?」