「やっと帰れる」




出口が見えた途端繭乃が駆け出した。

その後を3人が追いかける。




「外に出たら警察へ行かないとな」




智道が真剣な表情で呟く。




「それに病院も、なにか薬を飲まされたかも知れない」



「それなら私は病院だけに行くから、警察はあんたたちで行ってよね」




面倒事を引き受けるのが嫌なのか、繭乃はさっきから好き勝手なことを言っている。

私と尋は思わず目を見交わせて苦笑いを浮かべた。

繭乃の性格にはびっくりだけれど、とにかくここから出ることができるなら今はどんなことどうでもよかった。

繭乃の早く帰りたいという気持ちも理解できるし。

そう思っていたとき、繭乃が険しい表情で立ち止まるのが見えた。