「拳銃だ!」




誰かの悲鳴でそれがバクチク音ではなく、銃声であることに気がついた。

悲鳴と同時に逃げ出す子供たち。

私は呆然とその場に立ち尽くしてしまった。




「なにぼーっとしてんの! 逃げるよ!」




いつの間にか立ち上がっていた繭乃に腕を掴まれて無理やり走らされる。

何度も足が絡まりそうになりながらも、私たちは近くの建物の陰へと身を隠した。




「だから余計なことだって言ったでしょう!?」




息を切らしながら繭乃が怒鳴る。




「でも……だって……」




拳銃で撃ち落とされていった男の子たちの光景が脳裏にこびりついて離れなくて、放心したようにしかしゃべれない。

地面に落ちた子の体は手足が奇妙な方向へ折れ曲がり、頭をへしゃげていた。