「そんな大金払えるわけねぇだろ!?」




シャッターを壊そうとしていた男の子たちから怒号が上がる。

そのとおり、そんな大金私達が支払えるわけがない。

つまり、ここから出ることはできないということ……!!

その事実に打ちのめされたとき、繭乃が微かに口角を上げて笑った。

だけど私はそれに気が付かなかったのだった。