それでもダイヤモンドを手にした女の子は嬉しそうに笑っている。

その周りにいるチームのメンバーも、みんなが笑顔だ。

まだ仲間の死体が目の前にあるのに……。

その異様な光景に吐き気を感じたとき、クマがクレープ屋のお兄さんに近づいた。




「なんだよ」




お兄さんがクマに手を掴まれて不満そうな声を上げる。




「君、バイトなのに自分の仕事さぼっちゃダメでしょ?」



「は? なに言ってんだよこんなときに!」




目の前で人が死んでいるのだ。

ジェットコースターに轢かれるという、以上な状況で。

お兄さんはクマを睨みつけて手を振り払おうとするけれど、簡単には振りほどけないでいる。

着ぐるみの上からでも相当な力が加わっているみたいだ。




「自分の仕事だけしてなきゃダメでしょ?」