ギリギリまでドアを蹴破ろうとしていたお兄さんと智道も逃げ始める。

大きなビルが倒壊したような音が耳をつんざいたとき、ようやくスローモーションがもとに戻った。

ジェットコースターが地面に激突して車体が潰れる。

砂埃がもうもうと立ち上がり、その中に鮮血が見え隠れした。

車体の下敷きになるようにして潰れた男の子の顔は、すでに見る陰もなかったのだった。