その質問に男の子は大きく頷いた。




「僕が覚えているのは家のベッドに入ったところまで。きっと途中で飲み食いしたものに薬でも混ぜられていたんだと思う」




そうなのかもしれない。

じゃないとここまで来るまでに1度も目覚めなかった理由にならない。

私達はパジャマからジャージに着替えまでさせられているのだから。

見知らぬ誰かに服を着替えさせられたことを思い出すと、全身に寒気が走って吐き気がした。

やっぱり、こんな状況で普通に遊ぶなんて考えられないことだ。




「薬なんてどこで飲ませたっていうの? お母さんが作った料理に混ざってたとでも?」




横槍を入れてきたのは繭乃だ。

繭乃は目を細めてこちらを睨んできている。

せっかく遊ぶつもりだったのに、気分をそがれてしまったからだろう。




「まさか、身内に仲間がいるなんて考えてないよ」




男の子は慌てて手を振って否定する。




「ただ、どこかのタイミングでは薬の混入があったと思うんだ」



「だから、それってどこのタイミングよ?」