「今度もジャンケンで決める?」




さっきからスキップしそうな勢いで歩いていた繭乃が振り向いて訪ねた。

私は咄嗟に視線を外す。

ゲームになれば参加するけれど、肯定する気分にはなれなかった。




「ジャンケンでいいだろ」




尋が肯定したことでその場が決まる。

ジェットコースターに乗りたい気分じゃなかったけれど、仕方ない。

そう思ったときだった。




「君たちはどうやってここに来たの?」




突然声を掛けられて振り向くとそこには見知らぬ男の子が立っていた。

年齢は私達と同じくらいで、細身の体をジャージに包み込まれている。

胸についているバッヂの形は丸だ。




「わからない。覚えてないの」




私は早口にそう答えた。

このチームも不安を抱えていたのだろう。




「そっか。僕たちも同じなんだ。気がついたらこの遊園地にいた」



「やっぱり、誘拐だと思う?」